Project
大阪ガスのプロジェクト
国境を超えた日本企業初の
米国シェールガス開発会社買収
2019年、アメリカ・テキサス州でシェールガス開発事業を行うSabine Oil & Gas Corporation(以下、サビン社)を買収しました。 フリーポートLNG事業、発電事業に続く、大阪ガスの米国エネルギー事業第3の柱として、海外事業の成長を加速させていくためのプロジェクトです。
大阪ガスは2018年にサビン社のシェールガス生産開発事業に参画し、同社の優れたマネジメントによる高いオペレーター能力を確認。プロジェクトを主体的に推進するオペレーターシップを獲得することで、より戦略的な事業運営が実現できると考え、2019年に日本企業として初めて米国シェールガス開発会社の買収を決定しました。 このプロジェクトを足掛かりに、大阪ガスは米国におけるエネルギー上流事業を拡大・推進していきます。
潮流を知り、ビジネスチャンスをつかみ、
国による違いを超えていく
Daigasグループの海外事業は、北米、アジア、オセアニアを重点活動地域として展開しています。近年、特に東南アジアを開発重点地域と位置付け、事業投資を拡大しています。
2013年3月のシンガポールを皮切りに、タイ、インドネシア、ベトナムに現地法人を設立。高効率ボイラーや工業炉、コージェネレーションシステム導入など、高効率エネルギーシステムの導入を実現し、お客さまのさらなる成長を支えています。
大阪ガスが培ってきたノウハウをベースに、エネルギーインフラ整備の一翼を担い、東南アジアの発展に貢献していく。“エネルギー・ソリューション提供のリーディングカンパニー”を目指し、地域に根差した形で東南アジアでのプロジェクトは進んでいます。
キャリアの枠組みを超える
新時代に向けた新事業創出への挑戦
2018年、大阪ガスでは既存の枠を超えた新たな価値創造を推進する部署として、イノベーション本部を設置しました。価値創造に向けてさまざまな取り組みが進行する中、若手社員の活躍を目的としたプロジェクトも推進されています。それが「TORCH(トーチ)」です。
1905年の操業開始以来、脈々と受け継がれてきた“進取の気性”を礎に、「110年の灯火を受け取り、次の100年の灯をともす」を合言葉として、35歳以下の若手社員による新規事業創造プログラムを実施。2020年2月には、この「TORCH」がキッカケとなって生まれた、“気分転換ネタ”集合アプリ「ラムネ」をリリース。スマホアプリの制作とは関係のない部署の社員が出したアイデアが、実際に事業化されることとなりました。
大阪ガスは、これからも事業の枠、企業の枠、キャリアの枠にとらわれることなく、新規事業創出に向けてチャレンジし続けていきます。
ガス事業で培ったデータ分析力は
その領域を超えて社内全体に影響を与える
大阪ガスが誇るビジネスアナリシスセンターの元となったのは、1990年代後半に発足した「データ分析専門チーム」。「ビッグデータ」や「AI」といったワードが世間を賑わせるようになる遥か前から、私たちは“データ”に注目していました。
当初はガス消費量を予測するための分析業務が中心でしたが、その統計分析力を別の分野でも活かすことはできないかと考え、今ではDaigasグループ全体に関わる業務まで分析領域を広げています。
その高い分析力は、2015年に「IT総合賞」、「経済産業大臣賞」を受賞するなど、企業内データ分析専門組織では国内トップクラスを誇ります。今では、「社内にイノベーションを起こす」ことをミッションとしたデータサイエンティスト集団として、Daigasグループになくてはならない存在となっています。
「食」に対するこだわりは
調理機器を超えて食品産業のサポートへ
古くから調理機器を開発してきた大阪ガスでは、「食」に関して独自の知見を蓄積してきました。そうした知見を科学的に解明する組織として、2013年、フード サイエンス ラボ(通称:食Lab.)を発足。食品そのものが持つ特徴を最大限活かすための研究を行っています。
その中でも近年イノベーションを起こしたのが、新しい「酒米評価」の手法です。酒米の吸水状態を計測し、データ化することで、これまで杜氏さんの経験や勘で行われてきた酒米評価を可視化することに成功。日本酒造りの現場に貢献することができました。
この評価手法が確立できたのは、食品メーカーとは異なり、エネルギー会社ならではの観点から製造プロセスを分析する私たちだからこそ。さまざまな食品の評価技術も、大阪ガスならではのアプローチで研究開発を続けています。
次世代への取り組み
現代の「住」の常識を超えていく
未来の「住まい・暮らし・エネルギー」実験集合住宅
「NEXT21」は、1993年に大阪市に建設された大阪ガスの実験集合住宅です。
5~10年先の「暮らし」を提案するため、「環境」「エネルギー」「住まい方」という3つの面から、さまざまな実験・検証を続けています。
この施設の特徴は、大阪ガスの社員が実際に居住していること。日々の生活環境の中で、さまざまな実験を行い、結果を得ることができます。過去にはここでの実験から商品化されたものもあり、家事の省力化を目指したキッチンのガラストップコンロや浴槽の自動洗浄機能など、後の暮らしに変化を与えるものが生まれています。
また竣工時より、エネルギー実験にも多く取り組んでおり、水素供給燃料電池やエネファームなどのエネルギーシステムの実験を行ってきています。
最近では、ゼロエネルギーを実現するだけでなく「健康」「快適」も両立した住宅の提案を行っています。
施設内のリフォームを適宜行いながら、住まい方の変化にも対応した実験を続けています。