未来への挑戦者たち

25.01.10

関西を越えて九州へ!
Daigasグループが挑む「再エネ電気の地産地消」太陽光、風力、バイオマス…約2,000もの電源を活用し、再エネ環境価値の地産地消を実現

取材・執筆:Daigas STUDIO 編集部

Daigasエナジー(株) 都市圏営業部 リーダー

鈴村すずむら 悠悟 ゆうご

再生可能エネルギー(以下 再エネ)の電源開発と供給を通じて、再エネの普及拡大を目指すDaigasグループ。業務用・産業用のお客さまにエネルギーの販売・保守等の事業を展開するDaigasエナジーは、「D-Greenという再エネ電気料金メニューに、 “地産地消”という新たな概念を打ち出した。その先駆けとなった事例として、九州旅客鉄道(株)(以下JR九州)が「D-Green」導入に至った経緯や現状、今後の展望などを、交渉を担ってきた鈴村悠悟の思いとともに紹介する。

CHAPTER

01

再エネ電気の普及へ、
JR九州とDaigasグループが出会った

2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指しているJR九州は、その方策の一つとして再エネ電気の導入を模索していた。一方で、再エネ電気料金メニュー「D-Green」を提案し始めていたDaigasグループ。脱炭素社会の実現を目指す両社が出会ったのは、2021年のことだった。
「きっかけは、JR九州さまとDaigasグループで一緒に何かビジネスができないか、という意見交換会でした」。
そう語る鈴村は、鉄道会社への営業を担当していたことから、このプロジェクトに参加していた。JR九州としては2050年までの目標へ挑戦するべく始めの第一歩を踏み出したいという考えがあった。「地域を支える鉄道会社として、地元九州の再エネ電源を使いたい」というJR九州の意向を知った鈴村は、「D-Green」を提案することとなった。

鈴村氏

CHAPTER

02

約2,000もの再エネ電源を活かす!

Daigasグループは約2,000(※)もの再エネ電源を各地に有している。
「関西エリアに限らず、お客さまごとに電源を調達し、最適化したメニューを作成しご提案、供給を実現していく。そんなDaigasグループの特性を最大限に活かしました」。
その言葉の通り、鈴村はJR九州にとって付加価値の高い提案を行った。
「『地域に根差す鉄道会社として、地元のクリーンな電気を「地産地消」で活用したい』。そんなJR九州さまの強い思いに応えられるよう、佐賀県にある『肥前・肥前南風力発電所』をピンポイントで指定するという、よりお客さまに寄り添った新たなご提案をしました。JR九州 筑肥線とこの風力発電所が同じ県内で近いエリアにあることから実現可能だと考えたのです」。
※Daigasグループが開発・保有または調達している、事業用の太陽光/風力/バイオマス発電所

Daigasグループが携わっている主要な再生可能エネルギー案件一覧

CHAPTER

03

その地の電源をその地の駅へ
「再エネ電気の地産地消」を実現

鈴村らはピンポイントな電源指定を実現するために、肥前・肥前南風力発電所由来の非化石証書(※)がJR九州に割り当てられるようシステムを新たに開発し、Daigasグループ初となる地産地消スキームをまとめてJR九州へ提案。鈴村らがJR九州との交渉を何度も重ねた結果、筑肥線の佐賀県内10か所の駅舎へ、肥前・肥前南風力発電所の電気を含む再エネ電気を、当該発電所由来の「トラッキング付き非化石証書」とともに2022年から提供開始。個別発電所の指定による再エネ環境価値の地産地消を実現し、JR九州が目指す「環境価値向上」にも貢献できることとなった。またDaigasグループにとっては、関西エリアを越えて提供できたソリューションとなったのだ。
※非化石エネルギー源に由来する電気の環境価値を証書化したもの

非化石証書を付与し、省エネを提供

CHAPTER

04

再エネ電気を全国の鉄道へ、
さらに業種の枠をも越えて

鈴村は今回の事業を足がかりに、再エネ電気のさらなる普及を目指している。
「鉄道のあるところは、すべて自分たちの営業エリア。JR系に限らず積極的にアプローチしていこうと考えています。Daigasグループが関西エリア以外で評価されることは、とても喜ばしいことです」。
意欲的に語る鈴村のモットーは「仕事は段取りが9割」ということ。「お客さまのニーズに真摯に向き合い、それに応えることはもちろん、プラスアルファの提案も行っていく。そのためには、事前の準備を徹底しておくこと。きっとこういう要望が来るだろう…という予測をして、その答えや提案をすぐ出せるようあらかじめ考え、社内での調整も行っておく。そしてお客さまへ誠心誠意をもって対応していく。JR九州さまとのプロジェクトもまさにそうでした。どんなに困難なチャレンジも、万全の準備があれば成功につながると信じています」。
2030年度までに再エネ電源普及貢献量500万kWを目指すDaigasグループ。鈴村の心構えと行動力は、その実現を支える大きな力となっていくことだろう。

未来への挑戦

私にとっての挑戦とは

従来の考え方に縛られることなくお客さまが今必要とすることを提供し続ける!

鈴村 悠悟

2012年大阪ガス入社。私立病院・福祉施設への営業を経験。BCP(企業が自然災害等の有事に備えて立てる「事業継続計画」)を切り口にガスコージェネレーションを中心とした、ガスシステム拡販に尽力。2017年から鉄道各社への営業を担当。

未来への挑戦者たち

SHARE

Daigasグループの「2050年脱炭素社会実現」に向けた挑戦
Daigasグループカーボンニュートラル 特設サイトはこちら

TOPに戻る

おすすめ記事