未来への「挑戦者」たち 未来への「挑戦者」たち

22.02.16

「ニューノーマル」時代の
新しい視点でマンションをつくり、
多様化する暮らしに寄り添う

取材・執筆:Daigas STUDIO 編集部

大阪ガス都市開発(株)

第2技術部 梶木 仁美 (写真左)
開発営業部 津田 真理子 (写真右)

大阪ガス都市開発はDaigasグループの中核会社で、分譲マンション「SCENES(シーンズ)」の開発や、賃貸オフィス、賃貸マンション事業を行っています。DaigasグループのDNAを受け継ぎ、引き渡したら終わりではなく、お客さまとのつながりを持ち続ける姿勢を貫いています。
同社の津田 真理子さんと梶木 仁美さんは、ニューノーマル時代のマンションづくりを進め、お客さまに新しい暮らしのあり方を提供しています。コロナ禍で生活様式や社会的価値観が大きく変わるなか、その地に暮らす人の声を聞き、低・脱炭素や省エネルギーなど環境にも配慮しながら、時代が求めるマンションを生み出す先駆的な取り組みに迫ります。

CHAPTER

01

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一人ひとりのお客さまに合った
住まいづくりにこだわる

一人ひとりのお客さまに合った住まいづくりにこだわる 一人ひとりのお客さまに合った住まいづくりにこだわる

「前職ではマンションの開発に携わっていました。手応えややりがいを感じていたものの、10年ほど勤めるうちに思いを強くしたのは、不動産開発にとって、いかに『お客さまのニーズに合った住まいづくりをするか』が重要であるかということです。2年前に当社に転職してからはコンセプトをつくり込む段階から関わっているので、今までの経験や調査からお客さまに納得してもらえる仕様、デザインなどを盛り込むことができます。責任も重いですが、やりがいはあります」(津田さん)

写真:津田 真理子 写真:津田 真理子

「私は人が心地よいと感じる空間づくりに関心があったので、就職先は迷わず不動産業界を希望しました。説明会や面接で会った社員の皆さんが共通して自社の建物に対する深い愛着を持っていることが伝わってきて、私もここで働きたい!と思いました。会社の理念『私たちは気づきを大切にし、お客さまの夢をかなえる空間を創造します』にも共感しました」(梶木さん)

写真:梶木 仁美 写真:梶木 仁美

「お客さまの夢をかなえる空間を創造する」―――その特徴が表れている取り組みがあります。自社マンションを購入してくれた居住者さまの家を定期的に訪れ、暮らしに不便がないか、住まいに改善すべきところがないかをインタビューし、新しい商品企画に活かす「LaQuAs(ラクアス)」です。
「共働き世帯が増加し、家族と自分のために効率的に時間を使いたいというニーズが増えています。実際に使われているリビングやキッチン、浴室などを拝見することで得られた気づきをもとに、各住建メーカーとも協議して、住まいのなかから無駄と手間をできるだけ省けるよう改良していきます。ラクアスは、お客さまの生活にゆとりを生むための当社独自のプロジェクトです」(梶木さん)

[LaQuAsプロジェクトで商品を考案する流れ] ご入居者様の「暮らしの本音」をお聞きしし、家事のなかにひそむ無駄・手間を探ります。より使いやすい工夫を施した商品を、新しいマンションに順次取り入れています。 STEP01:アンケート&訪問ヒアリング。アンケートで様々なご入居者さまにより奥、訪問ヒアリングで1家族ごとにより深く、お困りごとをお聞きします。STEP02:アイデアミーティング。お困りごとから得られた気づきをもとに、具体的なアイデアをメーカーと協議します。STEP03:商品プランニング。それぞれの住まいごとに、最も適した商品を選び出し、取り入れます。 [ラクアスがもとになって生まれた改良や商品] 「お掃除ロボットを充電できるスペースの設置」「洗面台のボウルを片方に寄せることでのスペースの有効活用」「キッチンペーパーを片手ですぐにカットできるストレージハンガー収納」など、25以上

「マンションを引き渡したら終わりではなく、住み始めた後もお客さまの声に丁寧に耳を傾けることが、私たちのマンションづくりにとって大切な気づきの機会になっています。これは、“ずっとお客さまに寄り添う”というDaigasグループのマインドに通じています」(梶木さん)

写真:津田 真理子 写真:津田 真理子

CHAPTER

02

「ニューノーマル」の芽を発見して、商品として打ち出す 「ニューノーマル」の芽を発見して、商品として打ち出す

CHAPTER

02

「ニューノーマル」の芽を
発見して、商品として打ち出す

人の暮らしが大きく変わり、家族構成や住まい方も大きく変化するなか、大阪ガス都市開発では社会的な環境変化に応じて様々な取り組みを進めています。同社のマンションSCENES京都円町で導入される全国初のアートのサブスクリプション(定額課金)サービス「Casie(カシエ)」もその一つです。
新生活を始めるとき、部屋を彩るインテリアの一つとして絵画などのアート作品を飾りたいという人は少なくありません。その一方、アートに対する高額なイメージや、どこで手に入れたらいいか分からないといったハードルの高さから、尻込みする人も多くいるのが現状です。

「そこで、定額制のレンタルでアート作品を借りられるサブスクのサービスを展開する会社と提携して、マンションの居住者さまに半年間、季節や気分に合わせてアートを取り替えられるサービスを提供することにしました。アートだけでなく、家具や家電もサブスクで借りられるサービスを導入し、社会の変化、好みの変化、ライフステージの変化にも対応しています」(津田さん)
必要なときに必要なものだけをレンタルすることができるニューノーマル時代のエコシステム。「今はものを保有しない人が増えています。気になる家具や家電があれば、まずは当社のサービスを使って気軽に試していただければと思っています」(梶木さん)

マンションを通じて提案する新しい暮らし方は、それだけではありません。
「コロナ禍で一気に進んだ在宅勤務など、仕事面でも多様化が進みました。出社する機会が減り、場所にしばられない働き方が広がるなかで、“住まい”のサブスクのサービスも提供しています」(津田さん)

写真:津田 真理子、梶木 仁美 写真:津田 真理子、梶木 仁美

大阪ガス都市開発では、全国にある一軒家や提携宿泊施設に滞在できる多拠点居住体験や、コワーキングスペースの無償利用のサービスの提供を始めています。
「一つの住居だけでなく、ほかの場所にも生活の拠点を持つライフスタイルは徐々に広まりつつあります。リモートワークの場所としてだけでなく、休日に自然のなかで家族とのんびりと過ごす場所としても多拠点居住の魅力を感じてもらいたく、サービスを導入しました」(津田さん)

2030年には世界人口の10%が多拠点居住を行っているという予測もあります。社会の変化を見抜き、いち早くサービスが生み出される背景には、時代やお客さまが求めているものを探り、スピード感をもって設計基準に反映、標準化する大阪ガス都市開発の柔軟な発想があります。

(Casie、家具・家電のサブスクサービスはシーンズ京都円町。多拠点居住サービスはシーンズ上本町とシーンズ大森パークサイド。コワーキングスペースはシーンズ京都円町とシーンズ大森パークサイドに採用しています。 ※いずれも2022年2月時点)

CHAPTER

03

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マンションを起点に
低・脱炭素、SDGsライフを提案する

マンションを起点に低・脱炭素、SDGsライフを提案する マンションを起点に低・脱炭素、SDGsライフを提案する

大阪ガス都市開発は、不動産開発を手掛ける企業として地域の生態系や自然環境と密接に関係しているため、環境負荷が大きく生態系に影響を与える恐れのあるプロジェクトの計画時には影響を把握し、回避または低減に努めています。2016年には生物多様性や地域性種苗に注目した取り組みなどが評価され、グッドデザイン賞を受賞しました。
また同社では、環境性の高い不動産開発への社会的要請が高まるなか、マンションのZEH(ゼッチ)化を推進しています。
ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、建物の断熱性能を向上させるとともに、太陽光発電や省エネルギーシステムを導入することでマンション全体のエネルギー効率を高め、年間のエネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指す取り組みのことです。

2016年度 グッドデザイン賞を受賞 大阪ガス都市開発では、自社マンションに生物多様性に配慮した植栽を行っています。絶滅危惧種を含む地域産の植物を地方自治体などから譲り受けるなど、生活の最も基本的な場である住宅で地域の自然を身近に感じられるものにしました。

「今、当社がつくっているマンションの専有部すべてに、一次エネルギー消費量を大幅に削減できる、環境性能の高い家庭用燃料電池『エネファーム』を導入しています。また、壁や窓の断熱性能を高めた低炭素建築物認定の取得にも力を入れています。今後は、より環境負荷の低減に貢献できるZEHマンションの普及に力を入れていきたいですね」(梶木さん)

写真:作業風景 写真:作業風景
私にとっての挑戦とは お客さまの声から、今までになかった便利さや課題解決を生み出し、暮らしに役立つ良いものを一つずつ着実に積み上げていく(梶木)、私にとっての挑戦とは マンションをつくることで新しいライフスタイルを提案し、暮らしに新たな価値を提供する(津田)
私にとっての挑戦とは お客さまの声から、今までになかった便利さや課題解決を生み出し、暮らしに役立つ良いものを一つずつ着実に積み上げていく(梶木)、私にとっての挑戦とは マンションをつくることで新しいライフスタイルを提案し、暮らしに新たな価値を提供する(津田)
写真:梶木 仁美、津田 真理子

マンションのコンセプトを考案したり、建物のデザインを検討する前には、2人で建設予定地の周辺を歩いて回るといいます。
「近所のスーパーや商店街では何が売られているか、朝と夕方の時間帯ではそれぞれどのような人が行き交っているか、レトロな喫茶店とチェーン系カフェではどちらの方が多いのかなど街全体を眺め、できるだけその街の空気を取り込むようにしています。近所の家の前に何が置かれているかもチェックしますね。地域に溶け込む暮らしやすいマンションをつくるために、お客さまにとって心地よいと思える状態は何かを常に探し求めています」(津田さん)

「学生時代、本気で書店員の仕事に就きたいと思っていたくらい、“新しい世界を知る”ことができる本が好きなんです。マンションの建設予定地の歴史や文化、成り立ちや地理についてもできる限り調べて、デザインに活かしています。私にとっての仕事は、本と同じく“新しい世界へつながる扉”なんです」(梶木さん)
2人はこれからも、常にお客さまのリアルな暮らしをイメージしながら、新しい住まいのあり方を創造していきます。

大阪ガス都市開発(株) 開発営業部津田 真理子

通販業界で働いた後、マンションデベロッパーで開発業務を担当。その後、大阪ガス都市開発(株)に入社し、開発営業部で物件コンセプトの設定から広告作成などの販売促進にも携わる。

大阪ガス都市開発(株) 第2技術部梶木 仁美

大学で建築設計を学び、大阪ガス都市開発(株)に入社。入社後は分譲事業の技術推進スタッフとして物件の企画〜設計品質の管理〜工事費査定〜工事中現場検査〜引き渡しまでを担当してきた。

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