取材・執筆:Daigas STUDIO 編集部
大阪ガスマーケティング(株)
大阪ガスは2022年3月、ご家庭向けのインターネットサービス「さすガねっと」を開始しました。
大阪ガスでは以前から、使いやすいガス機器の商品開発やガス・電気の供給だけではなく、住まいのお困りごとを解決する「住ミカタ・サービス」などを展開、お客さまのお役に立つサービスを開発・拡充してきました。そのラインアップに新たに加わったのが「さすガねっと」です。
商品設計・販売促進・サービス提供などの業務の中心的役割を担った、大阪ガスマーケティング(株)の高橋 佳成さんと杉原 健太朗さんに、昨今のライフスタイルの変化に伴うお客さまのニーズの多様化、新規事業立ち上げのやりがいと難しさ、今後目指すサービスのあり方などをお聞きしました。
CHAPTER
01
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変化したライフスタイルを
支える
新規事業がスタート!
新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の働き方や暮らし方は一変し、テレワークやオンライン授業が瞬く間に広がりました。
家が、仕事や学びや余暇の基地になる。それは、新型コロナウイルス感染拡大によって起きた人々の暮らしのもっとも大きな変化と言ってもいいかもしれません。その環境変化に欠くことができない基盤となったのが、「インターネット」です。
コロナ禍で家のインターネット環境を改善したい。そのニーズを裏付けるデータがあります(総務省|我が国のインターネットにおけるトラヒック(※)の集計・試算 2021.11月)。 ※トラヒック:インターネットやLANなどのネットワーク上で転送されるデータ量
コロナ禍以前(2019年11月調査)と直近(2020年11月調査)を比較すると、固定系ブロードバンド契約者の総ダウンロードトラヒック数は、実に87.0%も増加していることが分かります(2019年11月 12,650Gbps →2021年11月 23,650Gbps)。
その変化を肌で感じていたのが、高橋さんです。
「私は『さすガねっと』の事業を立ち上げる部署に異動するまでは、住まいに関するあらゆるお困りごとを解決する『住ミカタ・サービス』を統括していました。これは、ガス機器の修理をはじめ、水回り修理、エアコン修理、ハウスクリーニングなどをサポートするサービスで、その一つとしてパソコンやインターネットのトラブル対応もありました。私が異動する少し前から、インターネット関連のお問い合わせが急に増えていたのです」(高橋さん)
高橋さんは、問い合わせの中の「とある特徴」に気付いていました。
「『ガスも電気も大ガスさんなんやけど、インターネットもまとめてくれたらいいのに…』というお問い合わせが目立つようになってきていました。Daigasグループは、社会課題解決に向けた価値創造を追求し、お客さまとともに実現することを目指しています。多くの生活者にとってインターネットは大きな生活インフラの一つなので、ガス・電気・インターネットをまとめたサービスがあれば喜んでいただけるんだろうなぁ、とは感じていました」(高橋さん)
高橋さんは「さすガねっと」の事業を立ち上げる部署への異動が決まった当時の心境を次のように振り返ります。
「新規事業のサービスは、翌年3月の商品リリースが決まっていました。新たな事業の立ち上げに携われるのはうれしく、今までの経験を生かしたいと思いました。ただ、手探り状態の中で準備せねばならないことも多く、残り4カ月で本当に間に合うのか、毎日そればかりが気になっていました」(高橋さん)
高橋さんに先駆けること半年前。インターネットサービス開始に向けて設けられた新組織に異動していたのが杉原さんです。
「私はそれまで総務・計画関連の仕事しか経験していませんでした。もちろん営業経験もありませんから、果たして新サービス企画や販売戦略を立てることができるのか? ましてや、入社3年目に入ったばかり。社内ネットワークも広いとはいえませんし、これまでとは異なるお取引先さまとのやり取りもどんなものになるのか、まるでイメージがつきませんでした」(杉原さん)
CHAPTER
02
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異業種参入の壁を越え、
豊富なプランを提供する
家庭向けインターネットサービス事業参入には、多くの苦労や紆余曲折があったといいます。
高橋さん、杉原さんの二人がともに難しさとして真っ先に挙げたのは、「異業種参入の壁」でした。
「ガス事業法は経済産業省が管轄していますが、電気通信事業法は総務省の管轄です。管轄省庁が違えば、法律も似て非なるもの。例えば、宣伝のための景品の表示の仕方一つとっても、ガス業界なら景品表示法に従えばいいのですが、電気通信業界は電気通信事業法の中に定められた独自のルールがあります。法務チームなどとも相談しながら、適切な業務フローをつくることが必要になります」(杉原さん)
「また『さすガねっと』は、これまで、エネルギー事業を通じて関係を構築してきたソニーネットワークコミュニケーションズさま、NTT西日本さま、J:COMさまとのアライアンスで成り立っています。三社の回線を利用し、それぞれに強みを持つ企業の方たちとどのようなタッグを組んで、どのようなサービスを開発すれば、お客さまにとってお得で使いやすいサービスが実現できるのか? そこが最も腐心した点です。今回リリースした3つのプランは、まさにその結晶です」(高橋さん)
■「さすガねっと」について
※まとめトクキャンペーンは終了しています
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“Daigasグループならでは”の
インターネットサービスの強みとは
サービスをリリースし終え、お二人に今の率直な気持ちをお聞きしました。
「制作を担当したカタログ、テレビCMや中吊り広告などが形になって街に姿を現した時、達成感を覚えました。とはいえ実のところ、間に合ったんだ、良かった…とホッとしたのが本音ですかね」(高橋さん)
「CMを見たときには、約1年間かけて準備してきたサービスがようやく形になったんだなぁ…と感慨深かったですね。同時に、日々お申し込みやお問い合わせがあり、契約してくださるお客さまも増えていく。営業経験のない私にはとても新鮮で、やりがいを感じています」(杉原さん)
関西では「さすガっス!」のキャッチフレーズで知られる大阪ガス。これまで暮らしの一番そばで寄り添い続けてきた大阪ガスが、新たなライフラインである通信事業においても、お客さまに「さすガっス!」と言ってもらえることを願って名付けた「さすガねっと」。
今後の展望やこれから挑んでみたいことをお聞きしたところ、二人は満面にたたえていた笑顔から一転、強い眼差しで応えてくれました。
「まずは、この『さすガねっと』を軌道に乗せること。ご家庭向けの主要事業にしていくことが最優先です。この事業はDaigasグループの成長に資するビジネスですから」(杉原さん)
「ガス・電気・インターネットをまとめて提供するというサービス自体は、すでに世の中にあるもので、私たちは『後発』です。ならば、私たちだからこそ提供できる価値って何だろう? この新規事業の立ち上げを経験して、頻繁に考えるようになりました。都市ガスとセットでお使いいただくと割引になる点はもちろんですが、私たちには、創業以来構築してきた『まちに根づいたネットワーク』があります。さらには住ミカタ・サービスのように、生活のあらゆるお困りごとを解決・サポートできるノウハウもあります。それらを活かして、より深く固くお客さまと『つながる』ことができるよう、一つひとつの仕事を丁寧に取り組んでいきたいですね」(高橋さん)
▶「さすガねっと」サービスの詳細はこちら
https://home.osakagas.co.jp/internet/
「何か困ったことがあれば、『とりあえず大阪ガスに訊いてみよう』と思ってもらえること。お客さまの声には常に耳を傾け、その声とDaigasグループが持つ多くの商品やサービスとの結び付きを深めること。そうしていく中で新たな価値をつくる循環が生まれ、最大化していく。Daigasグループだからできることじゃないかなと思います」(高橋さん)
「確かにDaigasグループは、ガスというエネルギーがスタート地点です。ですが、それは数ある『生活に欠かせないもの』の一つだと捉え、私たちの事業を『生活を豊かに快適にするサービス事業』として俯瞰し直せば、できることは他にもたくさんあるはずです。今回の経験を活かして広がりのある事業をつくっていきたいと考えています」(杉原さん)
販売企画部 事業基盤チーム高橋 佳成
2015年、大阪ガス(株)に入社(グループ再編のため、2020年4月より大阪ガスマーケティング(株)所属)。入社の動機は「日本が抱えるエネルギー自給問題の解決にLNG調達を通じて携われると考えた」から。営業、販売企画(「住ミカタ・サービス」を担当)部門を経て、2021年11月に固定通信事業の立ち上げプロジェクトに参画。サービス・プランの検討、販売・プロモーション戦略の策定や広告制作物制作などに従事。
販売企画部 事業基盤チーム杉原 健太朗
2019年、大阪ガス(株)に入社(グループ再編のため、2020年4月より大阪ガスマーケティング(株)所属)。入社の動機は「大阪出身であり、地元に根付いた企業で地域のお客さまに役立つサービスを提供したい」との思いから。総務、経営企画部門を経て、2021年4月に固定通信事業の立ち上げプロジェクトに参画。主に法令対応、アウトバウンドチャネル業務(オペレータ・管理者向けの人材教育、問い合わせ対応等)に従事。