供給設備・材料・工法
新型フレキ管継手「ネオジョイント」
概要
ガスを供給するガス用ステンレス鋼フレキシブル管(以下「フレキ管」)工法は、鋼管工法にかわり昭和57年頃から導入が進められ、住宅建築の際に工期の短縮や配管場所の狭小化に対応できる上、耐震性に優れているため、内管工事の標準工法として定着しています。フレキ管を配管する際には、両端にフレキ管継手を接続します。
従来、使用していたフレキ管継手はフレキ管と接続する時、フレキ管を挿入するのみで施工が完了するため、これまで必要であった工具によるナットの締め付け作業が不要で簡便に施工できる特長がありました。
しかし、フレキ管が適正位置まで挿入されていない状態でも施工者が施工中に気づくことができない構造となっていました。また、波状のフレキ管原管部の山部(凸部)にシールパッキンが配置される構造で、挿入前のフレキ管原管の状況(=へこみや傷がないこと)を十分に目視確認する必要がありました。
このように従来のフレキ管継手は、施工が簡便である反面、施工者の技量、判断に依存する点が多いことが課題とされてきました。
今回、フレキ管を挿入した後、ナットを押込む操作で施工が完了する継手を開発・実用化し、更なる施工品質の向上とシール性の安定を実現しました。
特長
1.シール構造の開発により、シール性が更に安定しています。
- フレキ管原管部の谷部(凹部)にシールパッキンを配置する構造で、挿入前のフレキ管原管の状況(=へこみや傷等)の影響を低減でき、安定したシール性を発揮します。
2.施工者のヒューマンエラーの抑制を実現し、施工品質が向上しています。
- フレキ管を適正位置まで挿入しないとナットの押込み操作ができず、施工者が施工中に気付くことができます。(適正位置まで挿入しないと施工が完了しないハード設計)
- ナットへの着色により、押込み操作忘れを防止しています。
3.良好な施工性を確保しています。
- フレキ管原管部の谷部にシールパッキンが押し込まれる構造で、軽くフレキ管が挿入できます。
- フレキ管挿入時にシールパッキンがフレキ管原管部の谷部に入り込む感触が確認できます。
- ナットを締め付けるなどの作業が不要で、工具を用いずにフレキ管を接続でき、高所や狭所での作業が容易です。
- フレキ管接続後でもフレキ管継手を回転させることができ、フレキ管接続後でもフレキ管継手を配管部材にねじ込むことができます。
構造
■従来の継手(ワンタッチ継手)
■開発した継手(ネオジョイント)
原理
開発した継手のフレキ管接続時の動作
施工手順
実績
- 平成21年7月 : 導入開始
- 平成22年6月 : 日本ガス協会 技術賞受賞
- 平成23年6月 : 日本ガス協会 技術大賞受賞
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