フードサイエンスラボ ~第5号~
第1回「おさかな天国」に学ぶ魚の
健康効果、「グリル調理とおいしさ」
FOOD SCIENCE LABORATORY
フードサイエンスラボ
第5号
「おさかな天国」に学ぶ魚の健康効果
スーパーマーケットで流れるこの歌を聞いたことはありませんか?関西でおなじみの「おさかな天国」では、サカナを食べると、「頭が良くなる」、「体にいい」と言っています。
これ、本当なんです。青魚には脳を活性化させるDHA(ドコサヘキサエン酸)や動脈硬化を防ぐと言われるEPA(エイコサペンタエン)が多く含まれているからなんです。
私達は通常、魚を焼いたり、フライにしたりして食べますが、調理をすると、健康成分であるDHAやEPAはどうなるのでしょう。
今回はグリル調理に焦点を当て、おいしさや健康調理効果などについてご説明します。
Column
グリル調理とおいしさ-
安藤 真美
大阪樟蔭女子大学
学芸学部健康栄養学科
調理学研究室 准教授
料理の加熱方法には、「茹でる」、「煮る」、「蒸す」、「炊く」、「焼く」、「炒める」、「揚げる」などがあり、それぞれの特徴があります。
これらはいずれも加熱による調理方法ですが、「茹でる」、「煮る」、「蒸す」、「炊く」調理は、熱を伝える媒体が水や水蒸気であるため、湿式加熱と言われます。加熱温度は100℃程度です。
一方、「焼く」、「炒める」、「揚げる」調理では、空気や油といった水でないものが熱媒体であるため、乾式加熱と言われ、200~300℃程度の高温加熱が可能です。
「焼く」調理の一種である直火焼きは、最も古くからある調理方法と言われていますが、文明が進んだ現代においては、主要な方法ではないかもしれません。
しかし、直火焼きは焼き魚の香ばしさから連想できるように、火で食材を直に炙ることにより、風味などのおいしさが増すことが期待できます。
そこで、各調理法による成分変化の違いをみる実験を行いました。図は、サツマイモをガスコンログリル、電子レンジ、および伝統的な石焼き芋器で焼いた場合の糖量を比較したものです。コンログリルで焼いた場合は、石焼き芋器と同じくらいの糖量がありました。サツマイモは加熱されることで、β-アミラーゼ(デンプン分解酵素)がデンプンを麦芽糖(マルトース)に変えるために甘くなります。今回の実験では、コンログリル調理によっても石焼き芋器を使用した場合と同等の麦芽糖が生成されていることが分かります。
コンログリルというと「魚を焼くもの」というイメージがありますが、焼き野菜はもちろん、ピザやホイル焼きなどいろいろな料理に利用可能ですので、これからも多彩な利用法の登場が期待されます。
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