大阪ガスとダイハツディーゼルさまが共同開発した「LPGメタン化改質装置」を搭載するLPG運搬船の試設計が、2020年度学会特別賞(Marine Engineering of the Year(土光記念賞)2020)を受賞しました!
◆LPG運搬船とその課題とは?
今回受賞したのは、「LPG改質装置を用いたLPG焚きLPG運搬船」。
LPG運搬船とは、主に液化石油ガス(LPG)を輸送する船のこと。船舶に対する環境規制が強まる中、エンジンの燃料に重油を用いると規制値以上の環境有害物質が排出されるという課題がありました。そのため、環境負荷は低いが高価格な燃料油の利用、あるいは、排ガス中に含まれる有害物質を除去するため、船内で大きなスペースを占める排ガス処理装置などの設置が必要でした。一方、有害物質の排出を抑えられるLPGを用いる場合でも、採用するエンジンの種類によっては、異常燃焼を起こしやすいという課題がありました。
◆LPGメタン化改質装置とは?
大阪ガスとダイハツディーゼルさまが共同開発した本装置は、LPGを主にメタンから成るガスに変換する装置。両社の知見を活かして船内の省スペース化やエンジンの安定燃焼を実現し、重油と比較しても有害物質の排出を大幅に抑制することが可能となります。
また、2020年3月に国内初となる開発した基本設計に対して安全性に関する承認も取得しており、これらの取り組みが高く評価され、今回の受賞に至りました。
今後はLPG燃料船の社会実装に向けた開発をさらに加速し、船舶から排出される有害物質、地球温暖化ガスの削減に貢献していきます!