冷熱利用
LNG低温エネルギーを回収・発電することで、
省エネ・省CO2に貢献する「冷熱発電システム」
大阪ガスの冷熱発電設備
150t/hのLNG冷熱発電設備の導入で、年間約15,000tonのCO2削減が可能。
LNGの気化設備で捨てていた冷熱を電力として回収する事で、受入化基地の使用電力量削減、 ひいては火力発電所のCO2削減に寄与できます。
大阪ガスの冷熱発電は世界で最も長い30年以上に亘る安定かつ安全な運転実績をもっています。
大阪ガスはランキンサイクルによるLNG冷熱発電のパイオニアです。
LNG基地 | 基数 | 運転開始年 | 発電出力[kW] | プロセス | LNG [t/h] |
---|---|---|---|---|---|
泉北製造所 第II工場 |
1 | 1979年12月 | 1,450 | ランキン | 60 |
泉北製造所 第II工場 |
1 | 1982年2月 | 6,000 | ランキン +天然ガス直接膨張 |
150 |
姫路製造所 | 1 | 1987年3月 | 2,800 | ランキン | 120 |
姫路製造所 | 1 | 2017年3月 | 3,700 | ランキン | 150 |
大阪ガスの冷熱発電の優位点
■シンプルなプロセスであり、運転、保守が容易で、下記の優位点があります。
1.ランキンサイクルの冷熱発電では二段膨張タービンや多くの熱交換器を使うといった複雑なシステムがありますが、大阪ガスのプロセス設計の思想は、シンプルな構成とし、容易かつ簡単な運転性、保守性を狙っています。
2.大阪ガスの冷熱発電の構成はシンプルで、図-1に示すように3基のShell & Tube式熱交換器と 1台のRadialタービンから構成されています。
3.大阪ガスの冷熱発電の設置面積は、保守エリア等を含まないとしては約35m x 40mあれば十分です。
4.中間熱媒体は、長期の運転にも高額な維持費用を必要としないものが注意深く選択されています。
5.冷間保持状態から定格出力運転まで20分以内に自動運転で到達できます。 発電状態から気化状態まで、10分以内に移行可能です。
6.発電設備に関する設備、タービン、熱媒体の循環ポンプ、タービン用油圧設備等の故障があっても、気化器としての能力は何ら制限されず、気化器運転の継続が可能です。 供給継続のために予備の気化器を準備する必要がありません。
■高耐食性
海水を通水する熱交換器のチューブはチタン製を採用しているため、海水でも腐食しません。結果的に、保守費用の抑制に寄与しています。
■大阪ガスの冷熱発電設備は下記の優位点も持っています。
1.適切に設計された制御システムや安全保護システムにより、熱交換器の海水がチューブ内で凍結、閉塞することはありません。
2.気化器運転、発電運転とも、発災時にはLNGの入り口の遮断弁のみを閉止することで、保護システムにより安全停止が可能です。
大阪ガスの冷熱発電での発電電力(参考例)
■大阪ガスが提供できること(例)
1.FS、FEEDまたは熱交換器等の主機をFOBベースで提供
2.運転、保守マニュアルのコンサル、保守作業の実施
回収可能冷熱と課題
大阪ガスは天然ガスを産出国で液化し、液化天然ガス(LNG)として輸入しています。このLNGは-160℃ の低温液体でその冷熱エネルギーを100%変換できれば、LNG1tあたり約240kWhのエネルギーを回収することができます。大阪ガスでは、冷熱エネルギーを動力として回収することが、省エネルギーの観点から非常に重要であるという考え方に基づき、新しい冷熱発電システムや蓄冷技術の開発等さまざまな技術開発に積極的に取り組んでいます。
冷熱発電システムの原理
現在、LNG冷熱発電設備としては、ランキンサイクル、直接膨張及びランキンサイクル+直接膨張の3方式が稼働中です。ここではプロパンを中間熱媒体として用いたランキンサイクルを例に説明します。
LNGはポンプにより3.5~4.5MPaGに昇圧され、LNG蒸発器でプロパンガスと熱交換し、約-50℃の温度で天然ガス加温器に入ります。ここで海水により0℃以上の温度まで加温されます。LNG蒸発器でLNGとの熱交換により凝縮したプロパン液は、循環ポンプにより加圧され、プロパン蒸発器に送られ、ここで海水の温度に見合った圧力で蒸発します。気化したプロパンガスは、膨張過程でタービンを駆動し発電を行い再びLNG蒸発器で凝縮されます。
プラント
大阪ガスのLNG冷熱発電設備への取り組み
当社は、他社に先駈けてLNG冷熱発電設備を研究開発し、初号機を建設しました。その後も積極的にLNGの冷熱利用技術の研究開発を行っています。
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