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バイオガス

バイオガス中の未利用CO2の有効利用を目指したバイオメタネーション技術の開発

概要

バイオメタネーションは、微生物のはたらきによって二酸化炭素と水素からメタンを作る技術です。

当社では、メタン発酵で生じるバイオガス中の二酸化炭素と、グリーン水素(※1)から、カーボンニュートラルメタンを作る技術開発に取り組んでいます。


※1:再生可能エネルギーなどを使って、製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた水素のこと

背景

メタン発酵は、廃棄物からエネルギーであるメタンを60%、二酸化炭素を40%含むバイオガスとして回収できることから、近年、カーボンニュートラルなエネルギー源として注目されています。


バイオガス中のメタンは熱エネルギー等で利用可能ですが、40%の二酸化炭素はそのままでは利用することができません。当社では、この未利用の二酸化炭素を有効利用する方法として、バイオメタネーションに着目しました。

メタン発酵のフロー略図

バイオメタネーションに関する当社の取り組み

当社は、国立大学法人京都大学、株式会社NJS、大阪市と共同で、2022年11月より、下水処理場で発生するバイオガスを活用したバイオメタネーションのフィールド試験(※2)を実施しています。

本フィールド試験は、大阪市の海老江下水処理場に新たに設置した小規模の試験装置を用いて、以下の2つの技術を検証しています。

①同試験装置に下水汚泥と水素を投入し、下水処理場と同じ条件のもとで下水汚泥をバイオガス化しながらさらに、バイオガス中のCO2と水素を微生物によりメタン合成するバイオメタネーション技術(※3)。

②同試験装置に廃棄バイオプラスチック(以下バイオプラ)の分解物である乳酸を投入することで、バイオガスの発生量自体を増大させる技術。


※2:開発中の技術を、実際に使用する状況下を模した装置で試すもの

※3: 一つの装置の中で、バイオガス化にくわえメタネーションを行う方式を「in-Situ方式」と呼び、これを採用することで、下水処理場の既存のバイオガス化装置を活用でき、新たなメタネーション装置が不要になるため、導入が容易 

フィールド試験のイメージ

これまでに得られた成果および今後の取り組み

これまでの検討で、①のバイオメタネーション技術に関しては、元々の60%程度だったメタン濃度が85%にまで増加し、これまで未利用だったCO2をエネルギー化できることを確認できました。今後はメタン濃度の更なる向上を検討していきます。
②の廃棄バイオプラ分解物投入によるバイオガス増量技術については、十分な量の廃棄バイオプラスチック分解物が用意できたとすると、一つの施設当たりで発生するバイオガス量を3倍に増やした状態で、安定的に運転可能であることを確認できました。

今後は実用化に向けて実験スケールを拡大する予定です。

引き続き、これら二技術の開発を進め、将来の実規模導入を目指します。

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