材料評価
防食塗装の塗膜下腐食耐久性の加速評価
概要
防食塗装の塗膜下腐食(※1)に対する長期耐久性を短期間で評価するための試験手法の開発に取り組んでいます。
※1 塗装構造物において塗料(塗膜)と鋼材との界面で起こる腐食
背景
屋外の鉄鋼構造物の多くには防食塗装が施されていますが、長期使用により塗膜が劣化し塗膜下で腐食が生じることがあります。腐食が生じた箇所は補修(再塗装)されますが、腐食による錆を完全に除去することが困難な箇所では期待寿命よりも短い期間で塗膜下腐食が再発する場合があります。このような塗膜下腐食に対する塗装の耐久性評価では暴露試験が実施されますが、長期間を要します。そのため短期間で加速評価する試験方法が望まれており、当社ではその手法の開発を行っています。
詳細
塗膜下腐食を実際に近い状態で加速評価するために、そのメカニズムに着目し、錆を残存させた試験片を用い、酸素分圧を高くし、高温・高湿度で保持する試験を行いました。その結果、通常の暴露試験では数年を要する塗膜下腐食による膨れを約1ヵ月で再現できることを確認しました。本試験方法により、腐食した鋼構造物への再塗装部の耐久性を短期間で評価することが可能であると考えております。塗料の耐久性の比較や寿命推定を行える試験方法を確立するため、試験片や試験条件など、さらなる検討を行っています。
図2 試験方法および結果
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