社外取締役メッセージ
Daigasグループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、ガバナンス体制の強化を進めています。
4名の社外取締役に当社グループの経営課題や将来のあるべき姿について語っていただきました。
取締役会の実効性評価について
新関2023年6月の社外取締役就任以降、取締役会の議論に参加して思うことは、コーポレート・ガバナンスの実効性が担保されているという点です。例えば、ガバナンスにかかわる課題について何事もスピード感を持って対応している点を評価しています。
一方で、パーパスや長期的な視点で検討すべき課題については、議論をさらに深めたほうが良いと感じます。議論を深めるためには、経営に関する情報だけではなく、現場からの情報収集もこれまで以上に密に行うことを検討すべきではないでしょうか。
佐藤そうですね。前中期期間は、ウクライナ侵攻やフリーポートLNG基地の火災など、短期的な課題の対応に会社全体が集中せざるを得なかったという事情はあるかと思います。2024年6月の株主総会で監査等委員会設置会社への移行を決議したわけですが、コーポレート・ガバナンスの充実という目的とともに、経営方針のあり方や長期的な戦略に関する議論をさらに深めていくという主旨でもあると考えます。
また、私が委員長を務める報酬諮問委員会では、役員報酬などに関する議論を活発に行っています。役員報酬の業績連動報酬の指標にROEを導入するといった議論は、「中期経営計画2026」の実現に向けた有意義な動きだと評価しています。
来島取締役会の実効性については、仕組みが毎年強化されており、有効に機能していると考えます。さらに何があればよいかという観点で言えば、監査等委員会設置会社へ移行した後、組織長などとより強い信頼関係を築き、会社が目指す方向性などについてもっと議論することではないでしょうか。
また、将来を見据えた議論と、中期経営計画の進捗に関する評価や議論のどちらも大事なので、長期・中期・短期の組み合わせを意識して議論することが、実効性の向上につながると考えます。
村尾私も、取締役会では自由闊達に発言する企業風土を感じており、実効性が担保されていると評価したいと思います。取締役会以外にも社外取締役ミーティングがあり、年々、議論が充実しています。とはいえ、現状に甘んじることなく、より高みを目指していくことが重要と考えます。監査等委員会設置会社への移行を通じて、いわば骨太の議論ができる場としての取締役会に、よりグレードを上げていけるのではないでしょうか。その一環として、新関取締役が指摘したとおり、執行役員を含め、皆さんとの交流を通じて実情に即しつつ、大きなテーマで議論を行っていきたいと考えています。
「中期経営計画2026」の策定過程で議論したこと
来島「中期経営計画2026」の策定のプロセスでは、前中期経営計画の結果をしっかり振り返る必要があるという話をしました。課題の深掘を十分に行い、スタート地点をはっきりさせることは、次の3年間での進化をより明確にすることにつながると考えています。
もう一点、「今日の安心をまもり、未来の日常をつくる」という立派な志をつくったわけですから、今後はこれをどう具現化していくのかという議論が大切になってくると思います。
新関策定時の議論で特に印象に残っているのは、Daigasグループはどこに向かっているのかを明確にしていこうという議論があったことです。それとともに、せっかく優れた計画を立てたならば、対外的な発信力も課題ではないかという議論も行いました。誰に向けて何を訴えていくかが重要であるというのが私個人の思いです。社内を見渡すと、実は面白い取り組みが多数あります。伝え方にももう一工夫があってよいのではないでしょうか。
佐藤確かに、真面目な企業文化らしく様々な言葉で自社を語っているのですが、せっかく良い取り組みがたくさんあるのですから、もっと短く伝わりやすい言葉で発信することも必要ではないか、という議論をしましたね。
村尾すでに皆さんが指摘していることですが、私が策定過程で度々申し上げてきたことは、これから先のDaigasグループのあり方を検討することの大切さです。それも数年先ではなく、20年後、30年後、Daigasグループは社会にどのように貢献する企業であるのかという議論が欠かせないと考えます。
もちろん、現状の事業の延長線上での成長投資をめぐる議論は必須ですが、それにとどまらず、時代の先を見据えた議論を今から始めなければなりません。より世の中に夢を与えるものや、社会課題を解決するもののビジネスシェアを拡大するべきです。こうした長期的な視点での議論は現在の経営陣ではなく、むしろ若手の方々に担っていただく方が良いのかもしれません。例えば、30年後を見据えた事業内容のあり方を自由に語ってもらうなど、新たな発想に基づく議論があっても良いように考えます。
「中期経営計画2026」での取り組みについて
村尾これまでの経営戦略で成果を着実に出して、キャッシュを創出してきたなかで、今回の「中期経営計画2026」において重要な点は、そのキャッシュの配分です。株主還元も進めながら、中長期を見据えて成長投資や人材投資も行っていくという、資本配分のバランスを考えるべきだと思います。
新関重点戦略「3つの約束」の一つ目「ミライ価値の共創」については、カーボンニュートラル社会におけるリーディングカンパニーになるべく、e-メタンや再生可能エネルギーの取り組みが進んでいることを評価したいと思います。一方で、社会との共創についてはまだ物足りない印象です。社会の定義という点では、関西のDaigasグループ、日本のDaigasグループではなく、「世界のDaigasグループ」という大きな抱負のもとで「ミライ価値」を創出してほしいという思いが強いです。
二つ目の「従業員の輝き向上」に関しては、「DE&I (ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」の課題が大きいと感じています。働きやすい環境の整備だけでなく、従業員のインクルージョン、すなわち価値の共創をどのように進めていくのか、議論を深めるべきです。
三つ目の「経営基盤の進化」については、ROE、 ROIC目標を掲げ、アセットのリバランスを図る戦略は良い方針だと思います。一方で、健全な財務状態を生かして将来に向けた成長投資をどう展開していくのかといった、まさに長期的な視点での議論がこれからますます重要であると捉えています。
来島重点戦略の「3つの約束」は、いずれも重要であり、将来のDaigasグループにつなぐ良い旗印になっていると思います。そのうえで、経営学者のピーター・ドラッカーが「企業文化は戦略に勝る」と語ったとおり、戦略を推進するパワーとしての企業文化とは何か、これまで長い年月のなかで培ってきたものは何かを改めて考えることが重要ではないかと思います。原点であるガス事業者としての存在価値を見つめ直し、ある意味、泥臭いDaigasグループとしての貢献・役割に使命感を持って取り組んでいることに価値を置く企業グループであり続けてほしいと考えています。
佐藤「今日の安心をまもり、未来の日常をつくる」という中期経営計画で掲げているパーパス=志はとても良いと思います。一方で、私が持つDaigasグループのイメージは、もっといろいろなことに果敢に挑戦していく、ある意味、「やんちゃな企業」でした。社会が変化するなか、Daigasグループは多岐にわたる課題に取り組んでいるものの、それが社外からどう見えるのかを踏まえて、もっとアピールする必要があると感じています。
新関取締役が指摘したDE&Iについても、計画を着々と進めているのはよくわかるものの、もっと大胆でわかりやすいメッセージを発信し、社内を活気づける施策が必要ではないでしょうか。多様な発想を生かして斬新な取り組みに挑むことをサポートしたいと考えています。
Daigasグループが、今後注力すべきこととは
来島時代が大きく変わりつつあるなかで、 Daigasグループの使命を改めて考える必要があると思います。しっかり守っていくべきもの、変えるべきものを見定めることで、自分たちの向き合うテーマが明確になるのではないでしょうか。「中期経営計画2026」を推し進めていくうえで、守るべきこと、変えるべきことを組織全体で十分に共有したうえで、「3つの約束」に取り組む必要があります。
村尾本体のガス事業は社会の暮らしや産業を支える事業として、着実にいわば手堅く泥臭く取り組んでいかねばならないと思っています。一方、ガス事業、導管事業以外では、イノベーション企業に向けた脱皮を促進していく必要があります。そのためには研究開発投資が重要です。研究中のメタネーションをはじめとして、水素エネルギーの利用や開発競争が激化する蓄電池とどのようにかかわっていくのかなどについても、より議論を深めるべきです。事業の一つであるライフ&ビジネス ソリューション事業についても、さらに力強く成長させていくことができるはずですので、今後も提言に努めていきたいと考えています。
佐藤これから先は日本国内だけで勝負できる時代ではないため、失敗を怖れずチャレンジするという信念を持って海外事業をさらに拡大する姿勢が必要だと考えます。現状の市場のなかだけで事業のあり方を考えていては、持続的な成長は見込めません。若い人を中心に海外にどんどん飛び出して、多様な価値観を持つ人たちとビジネスをしなくてはいけません。そのなかでは失敗が起こり、事業からの撤退といった痛手を負うかもしれません。しかし、失敗も含めて新たな挑戦から学ぶことは多いはずです。現在、海外でも取り組みが進んでいますが、こうした経験はたいへん貴重であり、将来の事業を支える人材の育成につながると思います。
新関社会の持続性という観点では、カーボンニュートラルをはじめとした重大な社会課題が今後次から次へと出てくるなかで、Daigasグループとしていち早く課題に挑戦できる体制づくりが重要であり、そのためのイノベーションが求められていると考えます。私が特に注視しているのが、コーポレート・ガバナンスです。現状でも経営リスクに対してスピーディーに対応できていると考えますが、今後はより全社的な観点から、リスクおよびリスクヘッジの考え方を組織横断で共有していく必要があると考えます。これによりガバナンスをさらに強化していくことが、Daigasグループとしての持続的な成長につながるのではないでしょうか。
これからのDaigasグループに期待すること
佐藤「この会社、こんな面白いことをやっている」と夢がふくらむ会社、いい意味で「やんちゃな会社」であり続けてほしいです。社内にはポテンシャルを持った優れた人材がたくさんいると思いますので、スケールの大きな挑戦ができる企業となることを期待しています。
新関私も、佐藤取締役と同様に、Daigasグループには、「さすガっス」というキャッチフレーズを体現する会社であってほしいと思います。「なるほど、こんなことにも挑戦しているのか」「ちゃんと地域のことを考えているじゃないか」「さすが細かいことまで考えている」と言われる企業をぜひ目指していただきたいということです。
来島2040年、2050年を見据えて、Daigasグループには社会で際立つ企業になってほしいと考えます。そのために、私は三つの要素が大切だと思います。1.ガバナンスで足元を固め、2. 環境変化に合わせ事業戦略がふさわしいものになり、3. それに応じて組織文化を変えていく、この三つの要素を組み合わせることで2050年を展望できると思います。そのベースとして、人材戦略が最も重要です。カーボンニュートラル社会を見据えて、限られた人材の能力をいかに高めていくか、今後の社会課題を解決するためにはどのような人材を育てていくべきか、人事制度や教育体系をどう変えていくべきか、本質的な議論をすべき時期を迎えています。社外取締役としても、この点をしっかりと考えていきたいです。
村尾20年後、30年後のリーディングカンパニーを目指して、未来から見た時に「Daigasグループは元々何の会社だったのか」と思われるぐらいのイノベーションを期待します。ライフ&ビジネス ソリューション事業の、例えば不動産開発にしても、マンションを建てて終わりではなく、これからの時代にふさわしい街づくりという大きな観点で、エネルギーから交通機関に至るまで、暮らしの全てにかかわるソリューションを提供できる企業を目指してほしいです。 2050年には総合イノベーション企業へ大変身していることを期待しています。
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