フードサイエンスラボ ~創刊号~
第3回 おいしさと健康調理を高温調理!
FOOD SCIENCE LABORATORY
フードサイエンスラボ
第1号
メカニズムはメイラード反応?
さんまとさつまいもをコンログリルと家庭用の過熱水蒸気オーブン(出力1.4kW)で調理し、「おいしさ」と「健康調理性」を比較調査しました。
その結果、コンログリルの方が過熱水蒸気オーブンよりおいしく、抗酸化活性が高いことがわかりました。さらに、メイラード反応(※今号のキーワード)が起きていることを示す中間生成物を調べたところ、過熱水蒸気オーブンの場合ではこの反応がほとんど起きていないのに対し、コンログリルでは多くの反応がみられました。おいしさ、抗酸化性がアップした要因はメイラード反応にあったのです!
なぜ、このような差があったのか?
食材の中心温度が100℃に上昇するのは、コンログリルも過熱水蒸気オーブンもほぼ同じ7分後。コンログリルの場合はここで調理が終了。一方、過熱水蒸気では、その後、「乾燥」「焼く」というプロセスがあるので結局、200℃以下の温度で20分以上かかってしまいます。このような庫内温度の差がメイラード反応による褐変生成物の量の差になり、抗酸化活性の差になったものと考えられます。
(T.Takemori, A Healthy and Tasty Grill Cooking Method (GaSteam), EFFost 2010, P52, P54)
今号のキーワード
メイラード反応還元糖とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質)を加熱したときなどにみられる、褐変生成物質を生み出す反応のこと。パンを焼くと、きつね色に色が変わり、香ばしい香りが漂うのは、この反応による。フランスの科学者ルイ・カミーユ・メヤールがこの反応の詳細な研究を行ったことから名づけられた。食品工業において、食品の加工や貯蔵の際に生じる、製品の着色、香気成分の生成、抗酸化性成分の生成等に関わる反応であり、非常に重要とされる。
ポテトチップスの意外な真実
‘揚げる’ことで、抗酸化活性が増加
じゃがいもを高温短時間のフライ調理することによって、褐変生成物が作り出され、それによって活性酸素を消去する物質が増加。さらに、フライ後もじゃがいもに含まれている、ポリフェノール=クロロゲン酸も多く残っていることが判明しました。抗酸化活性を高めています。
ポテトチップスを食べることで、活性酸素を消去する物質を摂取できるという、驚きの事実です。
(日本調理科学会誌 Vol.39, No.5, 277~282(2006))
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