フードサイエンス
食材の調理や加工過程における評価手法の開発
概要
食品は加工や調理工程で大きくその姿を変えます。「フード サイエンス ラボ」では食品調理・加工でキーとなる食材の変化を伝熱や構造解析技術を駆使して解明するとともに、得た知見から新たな食品分析技術の開発や食品加工・調理の制御に応用展開することで食材の特性の最大化に取り組んでいます。
研究内容例:米の炊飯工程における変化の可視化
米の場合、炊飯工程において米の大部分を占める“澱粉(でんぷん)”の構造変化の制御が炊飯後の米飯の品質を安定化させる上でキーとなります。
“澱粉”は「吸水」、「糊化」、「老化」の3つの現象によって外観や物性が大きく変化し、食味に影響を与えます。これらの現象のメカニズムを解明し、より精緻に評価できるようになることは食味の向上だけでなく、生産性の向上や製造の安定化を図る上でも非常に重要であるため、ラボではそれぞれの現象を可視化・定量化する技術を開発しました。
研究コンセプト
研究内容例:米の吸水状態の可視化
米はそのままではヒトが消化することができない“β澱粉(でんぷん)”という結晶構造をしており、水に浸漬することで米内部まで吸水させ、加熱することにより消化可能なα澱粉という結晶構造に変化します。内部までしっかりと炊けた米飯を得る上で重要な工程が“吸水”であり、ラボでは吸水状態を可視化・定量化する技術を新たに開発しました。それにより、米の品種や浸漬時の水温の影響など、吸水状態に影響を与える要因について多くの知見が得られています。
澱粉の調理・加工中の構造変化
今後の取り組み
米の例のように「フード サイエンス ラボ」では研究を通じて得た知見や新たな分析技術を基に、食品関連業界のお客様への幅広いソリューション提案を行なっていきます。
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