材料開発
環境に貢献するバイオマス材料(フルオレンセルロース)
概要
乾燥後の凝集を抑え、樹脂や有機溶媒に高い分散性を示す、当社独自のセルロースファイバー(フルオレンセルロース)を提供しています。
背景
セルロースファイバーは、鉄の1/5の軽さで、鋼鉄の5倍以上の強度を有し、また熱膨張係数もガラスの1/50程度であることから、ガラス繊維などに代わる樹脂フィラー材料として期待されています。
しかしながら、セルロースファイバーは強い親水性(水との馴染みが強い)を有するために、水の中に数%程度入れるだけでも流動性がなくなってしまいます。さらに、この水分散液は乾燥するとセルロース同士が凝集するため、汎用の樹脂と混練することができず、その利用が難しいとされてきました。
Daigasグループでは、フルオレンという独自の材料を用いてセルロースファイバーの表面を修飾することで、乾燥後の凝集を抑えたフルオレンセルロースを得ることができました。
取り組み
フルオレンセルロースは、水分をほとんど含んでおらず、ドライ粉末として供給できますので、アルコール、エーテルなどの有機溶剤に分散させることでコーティング用途向けに利用することができます。さらに、樹脂コンパウンド向けには、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)などの樹脂に分散させたマスターバッチでの供給も可能です。
特に、フルオレンセルロースは樹脂に混合することにより、軽量・高強度化・寸法安定性・リサイクル性が実現できますので、現在は樹脂マスターバッチでのサンプルワークを積極的に行い、様々な用途で評価いただいております。
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