Daigas Group 大阪ガスグループは、Daigasグループへ。

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材料開発

SPACECOOL® (炎天下でも宇宙に熱を逃して
ゼロエネルギーで冷え続ける新素材)

概要

 大阪ガスは、熱を-270℃の宇宙空間に逃すこと(放射冷却)により、直射日光下でエネルギーを用いずに周囲より温度が低下することを特徴とする新素材(放射冷却素材)を開発しました。

背景

 放射冷却とは、地球上の熱が熱ふく射と呼ばれる光の形で宇宙に放出され冷却される現象で、夜間に気温が下がる原因の一つとしてよく知られています。日中も夜間と同様、放射冷却現象は生じていますが、太陽光の入熱エネルギーが熱ふく射による放射エネルギーよりも遥かに大きいことから、太陽光が金属やコンクリートなどの一般素材に照射されると、素材温度は外気温よりも上昇します。

 今回、当社の光学制御技術を用いて太陽光の入熱を抑えながらも熱ふく射による放熱を大きくした材料設計を行うことにより、直射日光下においてエネルギーを用いずに外気温よりも温度が低下する放射冷却素材「SPACECOOL®」の開発に成功しました。


SPACECOOL®の原理図

 太陽光や大気からの輻射の吸収を抑え、熱ふく射による宇宙空間への熱の放出を増やすことで直射日光下において外気温より温度が低くなります。

特徴1 炎天下で冷える

 夏季(6~9月)に弊社研究所敷地内で検証した結果、直射日光下で冷却性能が外気温に対して最大で約6℃低くなることを確認しました。


SPACECOOL®の温度と日射反射塗料の夏の炎天下における温度比較結果

特徴2 高耐久

 10年以上のUV耐候性(屋外に設置した場合の耐久性)があることを加速試験にて確認しました。変色やスペクトル変化がないことを確認しております。

特徴3 シート形状

 しなやかで使いやすい粘着剤のついたフィルムと、強靭かつしなやかな帆布の2種類の形態がございます。


製品外観

適用例

 倉庫を用いての実証試験、ヘルメットでの実証試験を行った結果をご紹介します。


SPACECOOL®を用いた実証試験結果

今後の展開

 日米を拠点にするベンチャーキャピタルのWiLと大阪ガスが共同で運営する SPACECOOL(株)にて、放射冷却素材の営業、生産、販売を行っています。

 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所が実施する「夢洲における実証実験」に大阪ガスを代表法人として採択され、2021年8月26日から夢洲万博会場予定地などで、放射冷却素材SPACECOOLによる省エネ性や快適性などを評価する実証実験を開始しました。

 また、一般社団法人日本ガス協会が万博会場で建設している「ガスパビリオン」でも膜材として採用されました。実証で得られた知見も活用し、社会全体の低・脱炭素化や快適空間の実現に貢献してまいります。
 今後、様々な企業様とのアライアンスの中で、人に対しては熱中症予防、食品鮮度維持など安全性や快適性の価値提供、モノに対しては屋外機器の故障抑制など信頼性、スペース効率の改善、コスト削減といった経済性の価値提供、社会に対してはゼロエネルギーでの冷却による温室効果ガスの排出抑制、環境性向上の価値提供を目指してまいります。


企業ロゴ


用途例


SPACECOOL(株)のHPはこちら

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